なんだか気が狂って俳優の個人イベントにも行くようになった。……と以前書いた。
それで、先日また別の人のイベントにも参加した。
以下はその際の懺悔と、懺悔までの道程を示した文章である。
人の変化って怖いね。こんな人生があると思っていなかった。学生をようやっと終え、人並みの収入を得られるようになったのがかなり大きい。また人生が進むにつれて、生きている間には一期一会の機会が案外多いことと、不変のものはないと知ったことが変化の理由だと思う。
先日フィフステにて新テニミュに出戻りし、楽しくテニス(原作)のオタクと、俳優の茶の間オタクをしている。機会があれば個イベに行って金を少しばかり落とし、応援したいななどと考えていた。そんな中、舞台上で演技を見て気になっていた同世代の俳優についてもっと知りたくなり、配信を見ていたときに事件は起こった。
なんとその彼と同郷であることが判明し、気軽にメロつけなくなってしまったのである。
「何を言ってるんだ」とお思いになられることと思う。
わが町は大きいは大きい。国道が複数本通っている郊外の町だ。この町の中で仕事をし、家族を作り、暮らし続けるなら本当にちょうどいい。しかし、都会で何かを為そうとすると何もかも不自由である。一番は立地だ。とにかく駅へのアクセスが悪い地域が多い。あの町のたいていの高校生は、進路が確定したあと残りの春休みで普通自動車免許を取得する。文字通りの命綱だからだ。
私が住んでいた地域から遠く離れた(電車で行くなら別の市区町村を経由しないと辿り着かない)都会に直結している路線が通っているエリアはもはや「街」である。入ってるテナントからしてもう違う。別の街だ。東名阪を知った今となってはわが町の「街」も大したものではないと分かっている。しかしとにかく子供の身分には、町の出身であることが理由で何かの選択肢がなくなることが本当に多かったのだ(n=1)。
ゆえに、くだんの彼の駆け出しの頃の苦労話や、学生時代の話を聞くと、脳が勝手に情報の解像度を上げてしまって、苦い味がする。あの町で進路を考える時の妙な閉塞感、低い最低賃金、そもそも学生を雇ってくれるバイト先が多くないetcetc……積極的に思い出したくない人生前半が思い起こされる。
同郷で悪くない点もある。芸事には詳しくないが、その人にラベルをつけるなら「売り出し中の俳優」だろう。困難と不確定事項の多い世界でサバイブしようとしているその人の姿を見ると、自分も頑張ろうと思わせてもらえた。自分も下手をすると数年後に無職になる身分ゆえに、同郷の同世代の人間が難しい世界でもがいている姿を見ることは励みになった。
今回参加したイベントにはお見送りがあった。退出の際、直接お土産を手渡ししてもらえて、かつ一言ほどならやりとりができるというものだ。
悩んだ。大いに悩んだ。伝えたいことなどない。あえて捻りだすなら「売れてくれ、認知されろ」である。少しずつ失われつつあるかもしれない「推し」*1概念である。
他に伝えたいことと言えば、感謝かもしれない。あの町から出て、今のような存在になってくれたこと、頑張り続けていてくれること。これらに対して感謝をしたい。
それでまあ、懺悔の動機だ。お見送りの際に伝えてしまったのだ、「同世代の同郷だ」と。
ノリが軽いように見せたい人のようなので、ノリの軽い返答を求めていた。「ダチじゃん!」的な。その返答を受けたのち、「応援してます」で締めるつもりだった。
やりとりの詳細はここには書かない。ただ、ガチ恋営業ならば大正解なのではないか、というような返答をいただいた。
ここから懺悔である。ほとんど推敲していない。
あのさーーーそんな返答されると思わなくてさーーーーーびっくりしちゃってさーーーーーーーなんとか「一緒に頑張りましょう」って返事したんだけど(反応を見るにたぶんこれは聞き取れてなかったと思う)、その時にはもう剥がしの人に退くように急かされててさーーーーーーーーーーーーーーいや退くつもりはある、ご迷惑をかけたいわけではないけど、退くけど向こうが話してる途中にそそくさ離れるのもなんか悪い様な気がしてしまって、ああああ、いや運営の方には迷惑ですよねよく知ってるよ……。
だから懺悔はその思いのほか長い時間をかけてしまって申し訳なかったことと、あと向こうからの返答に対する返答のシミュレーション不足でさああああーーーーーーだって旧J事務所のベテランアイドルの茶の間してた経験しかないから接触とか皆無で、だってさーーーあ゛ーーーーーーーー無理。無難なことだけ言ってそそくさ離れるべきだった。
あとこの懺悔、実は接触の機会の度にやっている。「そんなものだよ」と言われたいような、100人規模じゃそんな一人のそんな一言なんて相手に何の影響も与えてないよとも言われたいような気持ちで数日引きずるのだ。これらの懺悔には明確な理由がある。自分の過去の体験を引いてきてしまうのだ。自分が大量に来た人間を裁く接客のアルバイトをやっていたとき、気になる言動は結構残った。ポジティブなのもネガティブなのも。しかしより後を引くのはネガティブな言葉を投げられた方だ。だから自分がそれをしてしまったのではないかと怯えている。自分が対人を苦手としているだけかもしれない。全てのオタクなんて挙動不審になる生き物のような気もする(過言)。
あとこういうオタク向けイベのスタッフのバイトもしてたことあるから剥がしの人にご迷惑かけてしまったようなことも引っ掛かっててぇぇ…………大変なの知ってるから………………。ガチ目に剥がされたわけじゃないんだけどその行為をさせてしまったこと自体をもう後悔していて…………………………。「今日は楽しかったです、これからも応援してます」で良かったじゃないか……………………………………………………。
インターネッツに罪を後悔し、放流したことで少し楽になれそうな気分になってきた。ふとした瞬間に思い出す程度には引きずっていた。綺麗なパッケージングの挨拶ができなかった程度のことを引きずるな、と言えばそうなのかもしれない。しれないが……。
というか当人に充てた手紙とかにすればいいのかもね。謝罪するか。…………何を???ではある。形にするなら純粋な応援の気持ちを伝えるべきな気がするよ。
最後に、イベントから帰ってから家族に聞かれた質問で締めたいと思う。
Q. ガチ恋になりましたか?
A. いやそもそもね、彼のノリ自体が同郷にいた似たテンションの同級生たちを思い出させるから別に……「好き」かというと…………。ただ機転の利く人間がオタクとしての好物なので、そんな部分を見せてもらえたことが嬉しかったです。