ネオサイエンスフィクション

自分の言葉で「好き」と言え

いまだ言葉に表しきれない劣情を、この世界のどこかにいる君へ

予定を変更してキングダムハーツ ファイナルミックス(以下KHFM)HDリマスター版(PS4)をクリアして感じた話をします。

(会然TREKの4月公演、チケット当たっててかつ公演日が誕生日だったので本当に残念……。OLIVE期待してます。)

 

KHといえば去年念願のKHⅢが発売されましたね。この前追加DLCも出たらしいね。KHシリーズを時系列順に遊んでからⅢに入りたいとかいうアホ始めたおかげでまだRe:COMと358/2(時系列が重なるので同時進行)にいるわけですが!

シークレットムービー見たさにプラウド(かつ晩成型)で始めたら終盤まで雑魚に何度倒されたことでしょう。ソラごめんね。標準型にすればよかったよ。クリア時点でLV65だったかな。

 

KHとの出会いは中学生の時に同じ部活の友人がKHⅡを貸してくれたことからでした。ゲームの名前と主人公がソラという少年であることくらいは知ってたのでプレイ始めたらソラじゃなくて驚くわけですが。なのに夏休みが終わる瞬間に立ち会っている時、ロクサスと別れたくないという思いでいっぱいになっていたので、このゲームとの親和性は高かったと推測します。

それから世界の至るところで「リクなのか?」と聞き回るソラに苦笑したり、終盤リクがとうとう出てきたと思ってたらなんかいかつい男になってて驚いたのにそれに縋り付いて涙するソラにまた驚いたり、ディズこと賢者アンセムが何をしたいのか分からぬままにリクが元の姿に戻り(歴代であのビジュアルが一番好きかも)、そしてEDを迎えたわけです。とにかくみんな家に帰れてよかったね、そんな感想だったかと。

その後KHシリーズはほぼ発売するごとに遊んできました。Ⅱクリア後にKH無印を購入、その後KHⅡFMも購入しRe:COM、ⅡFM、358/2、BbS、3Dと。3Dだけはその頃家を出たどさくさでソフトを紛失してしまい、去年か一昨年にリマスター版でクリアしました。最近実家片付けてたら紛失したソフト出てきて笑った。

 

さて、Ⅱは日本版、北米版と何度も遊んだわりに、Ⅰは一度しかクリアしていませんでした。酔うからです。リマスターの際カメラワークを改善したと聞きましたが今回も酔いました。ワンダーランドが一番ダメ、気持ち悪すぎて涙目になりながらやりました。

そして数日前、10年ぶり以上にEDを、そして念願のKHFM版シークレットムービーに到達したわけです。

 

これバッドエンドと違うん?

私はⅡから遊んだので、当時遊んだⅠはⅡの補完という位置づけでしかなかったのです。

「KHⅡというゲームはとても面白い」という記憶*1はあるけども、細部は忘れているという状態の今遊んだら、これ、Ⅰ単体で見たらバッドエンドもいいところじゃないですか、ねえ。

ソラは光だか狭間だか分からん世界に、リクは闇の世界に取り残され、家に帰れたのはカイリだけ、そのカイリだって友人を一気に2人も失った。こんなことってある?故郷に帰らせてもらえないなんて……あれだけ雑魚に倒されたソラと私が可哀そうじゃん

闇の扉を閉めるときソラを見るリクの表情で吐きそうになった、胸が詰まって。涙じゃなくて胃からなんか出そうな詰まり方だった。やっと取り戻せた友人が目の前にいるのに、名前を呼ぶどころでもなく、友人を扉の向こうにおいたまま世界の扉を閉めなきゃいならない。今まで頑張ってきたのに全然報われないひどい状況に置かれてるのにソラは悲しい顔ひとつせずに扉を閉めることに注力する。ねえ冒険に出たとき本当に子供のようだったじゃない、なんでそんな凛々しい顔で世界を救うために自分たちを二の次にできるの。リクもリクだよ、カイリを頼むぜって。ねえ、ねえ!!!!!!!!!!

その後カイリと再会するわけですが(エンド・オブ・ザ・ワールド(以下EOW)の深淵近くにデスティニーアイランドが取り込まれてて、その再生途中にカイリが呼ばれてソラと再会できた、という解釈をしています)、頼むと言われたその場で離ればなれになるわけで、また会えるから、と言いながらも名残惜しそうに手を伸ばすソラが……辛く……てさあ……。

 

閑話休題。EOWに向かう前のトラヴァースタウンでのカイリとの会話ムービーが好きで。カイリが連れて行ってくれないソラに対して、「足手まとい?」と聞くんですね素直なトーンで。それに対してソラも「そういうこと」と素直に返すシーンに信頼感が200%詰まってて……カイリは明確にヒロインなんですけど自分の足でちゃんと立ってるんですよ……足手まといであることを肯定されてもなお、素直なままに「そっか」と返せるカイリは強い。Ⅱの終盤、リクからカイリにキーブレードが手渡されたとき、当時はソラ(とロクサスとリク)以外がキーブレード持つのなんだか嫌でちょっとむっと思ったりしたんですけどⅠからやり直したことであの瞬間に納得がいきましたね……カイリは本当に強い子だよ……。ソラとリクと本当に対等な立ち位置で一緒にいるのが好き。

 

この先続編が出ていなかったら私にとってはバッドエンド以外の何ものでもなかった(ソラ達からすれば、世界が救われたのだからきっと何の後悔もしないのだろうし、きっとカイリとの繋がりを辿って遠いいつかには帰ってこられただろうと思いたい)Ⅰのエンディングという明確な別れを彼らと同じ立ち位置で感じられたことで、Ⅱをまたより楽しく遊べそうです。今からあのカタルシスを120%で感じられることでもう興奮している。リクとの再会シーンでソラと共に私も泣きかねない。

 

 

以下、こじらせたオタクの劣情を、一応、オブラートに包んだ吐き出しです。

ちょっとソラ、自分の腕にかかった他人の重さに潰されてくれないかな(願望)

ソラが本当にキーブレードに選ばれただけの一般人として描かれているⅠを改めて遊んだことで、彼にかかった様々な重荷について思いを馳せることがプレイ中にありました。ただの子供、でもキーブレードの勇者になった彼はそれに伴う様々のことを当然のこととして乗り越えていくわけですね。Ⅱまでは私も何とも思っていませんでした。それまでの冒険は世界のためと同時に友達のための冒険だったからです。でも(その後の作品の展開で)ソラにはたくさんの人が繋がっていることになり、その人たちの痛みを癒せるのはソラだけ、ということになりました。プレイヤーの私は、ソラの知らないところでソラにたくさんのものが積み重なったことがなんだか嫌でした。ソラが直接関係したのはロクサスとアクセルだけでしょうに、と。しかしその後KH3Dにて、リクだけがキーブレードマスターに承認された時、ソラだけではどうにもならない事情で彼は敵の手中に落ちてしまったのに彼はキーブレードマスターになれなかった(昔ならただただその事実に憤慨していたでしょうが、大人になってしまった今は、決してそのことだけが理由ではなく、ストーリー上の都合であるとかいろいろなことの想像がつきますが)ことに関してプレイヤーの私は納得がいかなかったのに対して、画面の中のソラはリクが承認されて本当に喜んでいました。私の中のソラは少し悔しいような表情をした後に、その後満面の笑顔でリクを祝福する少年だったのに。あの時、決定的にソラと自分が乖離したのを感じました。同一視していたわけではなく、ソラは私の知らないところで成長していたんですね。このソラなら、人々の痛みを癒しに行ける。

だからこそ、自分の身に降りかかったものの重さに苦しんでほしい。

いやあのなんでこんなこと言うのかって……KHFMクリアして、ずっと見てなかったKHⅢ公式サイトのトレーラー群を久々に観に行っちゃったんですよね……そしたらこれを見てしまって……うえっ今PCで見て気がついたサムネのソラ涙流してたんだ……やめてくれ……

 

youtu.be

 

これが……あの……あまりに衝撃過ぎてもう見たくないので一度しか見てないんですけど……映像終盤にいきなり慟哭が入ってくるんですね。最初あまりの声にそれが声だって気がつけなかったんですよ、ソラの声だって分からなかった。確か「もう戦えないよ!!」とか言ってるんですねあのソラが。あの……ソラが……。

その日はその後何も手につきませんでしたね。誰か私の中で死んだかのように、気を抜くと思いだしてしまってもうどうにもならない。思い出して何を思っているのか。

①あの明るく元気なソラがあんなに辛そうな声で悲鳴を心の底から上げている。

②あの明るく元気なソラがそんなに悲痛な声出せるんだ感情のままに悲しい辛い苦しい嫌だといったネガティブな感情に支配されているんだそんなに……そんなにつらいことが降りかかるんだ……????????????(上がるテンション)

 

そう私は闇のオタクです自覚があります。苦しむ姿に狂おしいほどの悦びを感じちゃうタイプなんですね。いるよね同志、一定数は。

ソラはずっと誰かのために、世界のために戦ってきた。世界を狂わす敵を倒すために。ではその刃の向かう先が自分になったら?迷いなく刃を向けるでしょう実際カイリのために一度彼はハートレスになってますから。できることがあれば実行するのが彼です。そんな彼があのような苦悶の声を上げるような出来事とは????一体????????何がそこまで彼を追い詰めた???????????正直顔がニヤケるのは止められない。他人の痛みを感じられて、それに対して行動ができるソラだけど、気がつけていなかった他人の痛みを癒してきた痛みが自身に降りかかったとしたら?……というシーンであってくれ、今までの冒険の積もり積もった負債の重さに吐きそうになってくれよ。いや吐いてくれ。自分がハートレスを倒すと機関の思うツボだと判明したときですらあそこまでではなかった、となると本当に、本当に何か起こるんでしょうね。悲しい思いしてほしくない私ととにかく辛く苦しくなってほしい私がせめぎ合っています仕方ないよね光も闇も持ち合わせるよ人間だもの。

 

あとね、彼らが故郷に帰れないことを悲しんだことで、自分が大人になってしまったことを感じました。彼らの別離を「少年たちに降りかかった悲しみ」と感じてしまったんだよね。当時遊んだときは「自分のこと」(≠ソラ達と自分の同一視)だから悲しくなかったのに。そうだよソラは同い年だったんだもん……。リクを兄貴にしたいとずっと言っていた私はある時Ⅱのリクの年齢を超えて悲しみ、Ⅲが出ないことを悲しみ、そして気づけばこんな歳になっていたわけです。そんな自分の変化に気づかされたこともまた、さみしい。

 

……で、今はRe:COMやってます(飽きたら358/2を見ている)。プレイヤーの記憶に無いことを言い出す彼らに対するプレイヤーの恐怖といったら。ほんと面白い作品ですよね。デッキ組むコツ思い出すまでしんどかったですけど。

KH3D遊び終わったときに、KH無印に関連するゼアノート関連のこと忘れちゃったな~と思ったことが遊び直しのきっかけなのですが、KHFMのクリアに1年以上かけてしまったせいでもう3Dの記憶がない。プラウドクリアしたデータがあるはずなので、それを引き継いでビギナーで遊び直す予定です。KHⅢにいつたどり着くのか。こうご期待。FF7Rも体験版面白かったからやりたいんすけどね!!!!!!!

 

次回こそ会然TREK大阪公演のこと書きますって……あと、東京のことも書きたいんだ……。

 

 

*1:私には兄弟が複数いて、それぞれがそれぞれのデータでプレイしている時もお互いに他の兄弟のプレイを見ていたので、何周も何周も遊んだ(ような)こともあり、子供時代の記憶としても余計に思い出深いのです