ネオサイエンスフィクション

自分の言葉で「好き」と言え

オペラトルペのデビュー公演を観た感想(都合により自分語り多め)

今の私は、洗濯物を部屋干ししてるうちに、エアコンの部屋干しモードに洗濯物と部屋の中で一緒に蒸されて変な時間に寝落ちして、変な時間に起きてしまった学生である。

最近は毎日レジュメ作成レポート作成に追われ、ずっとしたかった研究だからすごく楽しい反面、見る夢も屍人から追いかけられて団地の階段を逃げ回るとか(SIRENは疲れると悪夢の題材としていつも私の中で選ばれるのでほんと罪深い、シリーズのことは好き、でも恐らくずっと私の中で恐怖の象徴だ)、どうやら追い詰められて疲れているようなので、今から1時間半の制約をかけて書きたいことを書く訓練をする。もっぱら最近の悩みはひとつのレジュメないしレポートにかかる時間が多すぎるということなので、「終わるまでやる」のではなくて、「一定時間の中である程度のクオリティのものを作り上げる」訓練である。とりあえず既に疲れてきたのでマグネループ装着してきてもいい?

…マグネループEXは効くのでおすすめです。今日変な時間に寝落ちしたのも昨日1日付け忘れていたからではないだろうか。

 

先日、アイドルのデビュー公演に立ち会いました。友人に「こんなアイドルがデビューするから見に来てね!」と言われて、ずっとずっとTwitterやらInstagramやらフォローして追いかけて、待ちに待ったデビュー公演でした。

 

 

オペラトルペ お披露目小歌劇-Debut Operetta- 『Reset 〜 僕らの青〜 』

オペラトルペ (天野いつか / 黒澤怜来 / 藤村ぽぷら / 岬イル / やぶきほのか)
2018/05/12 池袋CYBER

 

 

私は池袋駅からダッシュして開演時刻ぴったりについて、語り部のおじいさまのナレーションは息を切らしながら聞いたのであまり覚えていないので割愛。 

 

1.リセット

ずっとPVを繰り返し見て思いを馳せていた。フルで聞けるの楽しみだなあ、でもさ、『アイドル』のデビュー曲ってもっとポップでキラキラしたものなんじゃないの、と思いつつ。

 

youtu.be

 

劇場で聞いて正直モロにダメージを食らった。この1曲だけ聞いて出ていこうかと思ったけどまだドリンク交換してなかったから飲むまで出られない出たくないとかバカみたいなことを頭の上っ面で考えながら、いわゆるそれは一種の逃避行動だったんだろうけど、一番他人に触れられたくないところを鷲掴みにされたと思った。そうだ、私は「人間失格」の葉ちゃんの生きざまに心底感情移入してしまう少年少女「だった」、象が尻尾で虻をぴしゃりと殺す比喩に震え上がったのだ、ここにいた、私の恐怖を理解する人がここにいたと、その後私の一番好きな作家は太宰治になった、そんな人間だ、どこにでもいる。デビュー公演前に公開されていた1番の歌詞だけ聞いている分には、まあそんな曲もあるよね、よくあるよくある、そう思っていたのに。2番のあと、そのあとだ、『死にたい、死にたい、死にたい…消えたい…消えたい…消えたい…』という追い詰められた少女達の声にイルちゃんの可愛さの中にある冷静な目、いっそ爬虫類を思わせるあの無垢なまっすぐな目を表すような声がひらりひらりと飛ぶメロディを歌い上げる。『生きる、生かされる』なんてずるい、もうだめだ、やめてくれと思った。昔美術の授業で聞いたピカソの「青の時代」をふっと思い出した。青の衣装、青のライト、悲しさの表現っていつの時代も青なんだろうか。

 

2.心CHU↑しましょ☆

素手で触られたくない部分をぎゅっと握られてもうしんどさで潰れそうになった。帰るか?いやドリンク交換がまだ…(そもそも酒は好き)。そしたらなんか始まった、としかセンチメンタルから抜け出して冷静になった今でもそう表現するしかない。

今PC上で再生して、CD音源じゃ物足りなさを感じる程度には質量のある曲とパフォーマンスだったのだ。うおっ1公演目からひとりのメンバーにフォーカスぐっと当てる曲が出てくるなんてあるんだなぁ、と思う冷静な頭と、理解できなさ、というか、オペラトルペって勝手にお人形がくるくる踊ってるイメージだと思ってたのに、急に生身のむき出しの人間臭さ、いやある意味でのアイドルっぽさ?をぶつけられた気がしたのだ。びっくりして涙目になってた視界が開けていったのを覚えている。歌詞なんて頭に入らない、驚きが上回って。コール表出てきた時正直笑った、ごめんこの前は恥じらいが上回ってあんまりちゃんと出来なかったから、次行くときはちゃんとコールするね。

コールで笑っちゃって完全に冷静になって、やっと歌詞が頭に入ってきたとき吐くかと思った。『生きててくれるだけでいいよって……言われたかっただけなのに』、ああ、疲れた僕がよくネットの片隅に、日記代わりに書き込むこともある手帳のページに、表面上はふざけた風に書き込むどろどろの本音だ。ああ、ああああってもう声が漏れた。やっと、ラスサビまで来てやっとサビの歌詞が聞き取れた。『死にたいだけで減点対象の 人類テストなんて願い下げ』もう耐えきれなくてまた涙目になった。書いてる今も涙目。だってしんどくて、なんでみんな死にたいって思ったことなく生きてるの?なんで周りの子たちみたいにきらきらしたものを好きになれない風に生まれてきたんだろう、ちらつくのはいつだって「自死」、もっぱら高校生の時の悩みはそれだった、それを思い出した、ああそうだ、毎日は戦いだ、いつだって世の中と『一騎打ち』だった。ああ、あああ…

ほのかちゃんとぽぷらちゃんがこの曲に加わって歌うのは分かるんだけど、イルちゃんがメンバーなのは意外だった。意外だけど、今はこの3人がいいな、と思う。

 

3.ラストダンス

蓄音機で鳴らすようなノイズ交じりの音を聞いた瞬間、あっこの曲たぶん好きになる、と思ったらその後続くワルツも、ミュージカル的な、このコード進行って名前付いてます?この曲調がすごく好きで、私好みで、歌うイルちゃんといつかちゃんの、特に曲中、女の子役のいつかちゃんが軽く横にリズムを取りながら揺れるのが可愛くて、なのに、その声で歌う内容は……。特に心にきたのは、2番の…緑色の目をした怪物、だったか。ビジュアルが発表されたときからイルちゃんがセンターなのにスカート衣装じゃないのを珍しいなあと思ってたんですけど、この曲のためだったのかな?燕尾服に見えた。そんな二人が手を合わせて踊るの、ごめん根が2次オタだからこれしか表現が思い浮かばなくて申し訳ないんだけど、百合っぽさ、綺麗な顔の女の子と可愛い顔した女の子が手と手を合わせて踊ってる、幸せそう、いや幸せであってほしい。素敵。ずっとこのままで。でもね、女の子はお砂糖とスパイスと素敵なものをたくさん、なのにそこに毒を致死量混ぜずにはいられないような。何故そこで毒も思い浮かべるのか、って思うけど、でも少年少女だった私が振り返るならば、多くのアイドルが自身に映し出すあの頃の少女性(少年性)って、そういう、死と生が表裏一体で生まれる性だと思う。

 

4.リサイクル・ラブ

急に中田ヤスタカ的テクノが始まってびっくりしたけど、そんなことより、ええ、私テクノも大好きで。ここで宣伝挟ませてもらうなら解凍P-MODELはいいぞ。今回の公演の全ての曲がドツボなんですよねありがとうございます。いっそPと酒飲みたい。

中田ヤスタカ的テクノ、とは言うけど、歌う内容はP………とはかけ離れた、うん、今やっと歌詞カード見て正しい歌詞を認識したけど、うん、『淘汰されてく』のだ。『共感できなくて』『愛想笑いした』。なんで周りの子たちみたいに世の中の強者に生まれて来られなかったんだろうね?

今の状態の生活が始まってから聴力に異常はないのに(病院行ったけど別に異常ってほどの異常はなし)飛んできた声の内容を聞き分ける力がぐっと落ちてしまって正直歌詞がほとんど聞き取れなかったため、公演の時はとにかくダンスに魅入られてました。イルちゃんはある意味どこにいても混じれるその存在感のなさ、「いないちゃん」っぷりを発揮して心CHU↑然りこの曲も馴染んでた。怜来ちゃんはこういう曲、ダンスの中にいる意外性があったけど、クールビューティゆえにテクノの無機質性の冷たさがいい感じにマッチしてた感じ。今回の公演は怜来ちゃんのクールビューティをそのまま味わう瞬間が少なかったように思うから次回公演はそんな一面も見たい。

そして伏兵だったのがぽぷらちゃん。CD購入特典チェキを予定してたメンバーからぽぷらちゃんに変えさせるだけの力をここで見せられた。ダンス中に笑みがこぼれちゃうの超可愛い。ダンス好きなんだなってすごく感じる、無理してるんじゃなくて、ほんと、「零れる」の。踊ってるぽぷらちゃんほんと可愛い。

 

5.青空

この曲の前にモノローグが入るんだ。学校のチャイム、ざわめき、『先生』という存在。学校という普遍性はアイドルという分野でもそうなんだな、と思ったりした。そして始まるこの曲。マルチエンディングのゲームの真エンディングに到達したイメージをした。たぶんAメロでテンポ通りに鳴ってるリムショットがそう思わせるんだと思う。2番まで聞いてて少しだけがっかりしてた、この明るい曲調、そっか、やっぱり救われて終わるのか、そうだよな、アイドルの公演だよ、救いがなくてどうする。相変わらず聞き取れない(これはおぺるぺちゃんが悪いのではなく単純に私の聴力が悪い)歌詞の中やっと気がついた、『スクリーンが最期に捉えたのは 青空だった』、ああ、落ちちゃったのか。偉いな、その勇気があったんだ、私には…。あと「青空」が、「リセット」と繋がってストンと腑に落ちた。悲しさの表現じゃないか、青なんて、リセットを聞きながらそう思ったのは確かだ。でも、青空というものは大抵ポジティブの象徴で、でも私も青空が好きだ。『空に手を伸ばした』、ああそうだ、青に救いを求めた、青は悲しさだけじゃなくて、そうじゃないか、青空だって青かったな……

この公演の中、涙目になることはたくさんあったけど、この時は涙目になる段階を飛ばして涙がこぼれた。びっくりした。カーテンコールの中拍手しながら涙が止まらなかった。なんで泣いてるんだろうと思った。アイドルの公演を観に来たのだ。笑顔になって帰るんじゃないのか。なんで、一番触れられたくないところ鷲掴みにされて…なんで…びっくりしたのと悲しいのと、やっと、ああ、触れられたくないところを、死にたさを抱えてそのままでもいいのか、罪悪感を持ち続けなくてもいいのかと、そんな涙なのかもしれないと思った。

 

物販

ここまでで書き始めてちょうど1時間半なのだが、この後オペラトルペの公演に行く人のために書き残しておく。

売り子さんはアイドル本人ではなくスタッフさん。この接触の少なさはいいなぁと思った。昨今のアイドル事情を否定するわけではないんだけど、いつだってアイドルには板の上で輝いている高嶺の花でいてほしいと思うから。会場限定版CDとツーショットチェキ権を買ってしめて4000円也。CD特典のチェキは先述の通りぽぷらちゃんにしてもらったんだけど、ツーショットチェキは予定通り別のメンバーと撮ってもらった、メンバーは内緒。あとスタッフさんの中にハチャメチャに美人がいるなぁと思ってたらP本人だった。ひええ。チェキを撮るときステージへの段差が思ったより高くてまごついてたらその手で引き揚げてもらって恐縮しきり……そんなPを始め、スタッフさんもおぺるぺちゃんも、とっても温かくて、ああ、ダメージも受けたけど、この公演が見られてよかったなと思った。ツーショットチェキは思いっきり目をつぶった。チェキのフラッシュがあんなに眩しいなんて聞いてないよ!その後ドリンクを交換してモスコミュール飲んだ後電車乗って同じく都内の自分の研究室に帰った。今度はサイン入りチェキを買おうかなと思う。

 

 

今回の公演のテーマ「自殺」は、生き物である限り究極の存在の「死」にまつわるものであって、これを使ったあと次は何をテーマにするんだ?と心配してたんだけど、今回の公演を見て余計な心配だったと思った。次回新公演も楽しみにしています。その前に6月の公演も行くので…!今度はダメージ食らわずににおぺるぺちゃんの魅力を、そのまま受け取って味わいたい。

 

opera-troupe.com

 

受け取ったものをそのまま書き残したかったからどうも自分語りの多い感想になってしまって申し訳ない。でも、あの頃死にたがりだった人たちにも、その死にたさをアイドルの明るさ、可愛さ、ポップさで歌って踊ってくれるアイドルたちがいるから、ぜひ、一度見てほしいんだ。

 

 

 

横文字に弱い「バーフバリ 王の帰還」感想

観てそのまま、何もネット情報を見ずに、そのままはてなブログにアクセスしてスマホでこの記事を書いている。

頭の中ではまだシヴァ神を讃える曲がガンガンに流れている。

バーフバリ、やばい。何がやばいって、やばい。バーフバリをまだ観ていない人類は何故バーフバリを観ないのか。


前作のあらすじが今作の開始前に端的に語られる。正直それだけでももう満足できるストーリーの面白さで、かつまだそこでは聞きなれない言語ゆえの直感的な、表面的な面白さが先走ってしまう。映画の中で聞き取れる単語は「バーフバリ」「マハラジャ」「マハラディ」の3種しかなかったもん。

しかしそこから父バーフバリの人生を追体験し、恋を追体験し、さらにその人生の悲劇の終焉まで見せてくる。その頃には最早映画に取り込まれている。ここまでで恐らく1時間半以上は確実に上映している。いわば回想シーンで映画の7割以上が終わるのだ。

父バーフバリの恋と愛と、王族としての使命を意志をこれでもかと観客に見せつけた上で、子バーフバリが幽閉されていた父バーフバリの妻(子バーフバリの実の母親)と共に、父バーフバリを謀略の末殺した現国王=バーフバリ兄を倒すために立ち上がる。こんなに暑い展開があっていいのか……王道とは…こんなにも…私を熱くさせるものだったのか……


いかにも悪役然とした殺戮兵器を乗りこなすバーフバリ兄=現国王をどう倒すのか、そもそもその殺戮兵器を壊せるのかとはらはらしていたがそんなものは杞憂であり30秒で杞憂は晴らされた。圧倒的である。これより先ずっとそんな調子の仇討ちが始まる。上映開始30分にこれを見せられていたらまたまた〜(笑)と笑っていたかもしれないが、もはや父バーフバリの人生を観てきた我々観客には全てはもう「そうなるべくして起きていること」でしかない。この感情を説明できる言葉をど忘れしてしまった。エクスタシーでもなくカタストロフィでもなく………なんだっけ………?カタカナ苦手だからバーフバリ以外の人名忘れちゃって父バーフバリだのバーフバリ兄だのバーフバリ妻だの表記している。もちろん世界史は苦手でした。


上映後の心ここに在らずな感覚のまま入ったサイゼリヤで頼んだアラビアータを食べてたらちょっと落ち着いてきた。

こんな話やシチュエーション、どこかで観たなぁと思ったら、NARUTOの劇場版第一作の雪姫忍法帖ですね。いや…その点ではバーフバリのおじ上…アンポンタンみたいな響きの名前の…奴隷の出身のおじ上が…ダッカルビみたいな名前の……その人が最後まで生き残ってくれてて良かった………。カンタータみたいな名前だったと思う。雪姫忍法帖では三太夫が死んでしまうのめちゃくちゃショックだったから…


しかしラストシーンあっさりだったなぁ。歓喜に沸く群衆のシーンなかったのびっくり。あと盛者必衰をことごとく表してくるのはお国柄なんでしょうか。大歓声の中暗転して終わると思ってたので。

ラストシーンで思い出したけど、ラストの流れが映画冒頭と重なっているの、よくある手法なんだろうけどものすごく感動した。幽閉されて肌や髪のツヤは失われてもその美貌と意志の強い目が残るバーフバリ妻の女優さんは本当に美しかった。


落ち着いてきました。公式サイトとか他の人の感想観てみようかと思います。この観終わった後の熱い勢いをどうしても書き記しておきたかった。

気が向いたらきちんとした感想も書きます。

「第9曼荼羅」東京公演感想メモ

(※12/1、東京公演メモリアル・パッケージカード配信に釣られて少々書き直しました)

 

金銭的には余裕がなかったんだけど、最終日だけ応募して、もし万が一抽選になって落ちたら現場に行けないとか辛すぎる…ということで10月6日、10月7日の2日目と3日目両日に応募したらなんと奇跡的に2日ともチケットが取れてしまった。ありがとうケイオスユニオン。ありがとうネクストロード。

おかげさまで先月今月と生活が苦しいのですが(貧乏学生に想定外の7000円の出費は辛い)それはともかく第9曼荼羅公演の感想を記録しておきたいと思います。レポと言えるほどのものではない。記憶は既にあやふやになってしまった…なんせ10月からだらだら書いていたし気がつけば11月になりBSPも放送されてしまった!バイトでまだ見られてないし見るならゆっくり見たいからいつ再生できることやら。

 

入場まで

参戦初日の東京2日目はまず物販購入。アパレル系は物販開始1時間を待たずに売り切れていた印象。私の狙いはメモリアル・パッケージカードと卓上カレンダーだったので17時ごろ新木場に着いてのんびり買いに行きました。その頃には列も捌けていて行けばすぐ買い物できる状態だったので、入場口でチケットの確認されても買い物自体は5分もかからなかったのではないだろうか。

前回のWC2015の時はトートバックを買ったら袋などなしにそのまま渡されちゃって、その時点で既に18:59開演1分前だったから慌てて客席に向かい、なんとかトートバックを仕舞った記憶があったので、またそのまま裸でグッズ渡されたらどうしようかと思ってドキドキしていたけど、今回はビニール袋に入れてもらえてありがたかった。特に雨すごかったしね…。

2日目の整理番号が600番台前半で、呼び出しが100番までは1人ずつ、それ以降は10人ずつだったため中に入れたのは入場開始後20分後くらい。2日目の入場の様子で学習したので整理番号が1700番台だった3日目は入場開始時間に新木場駅に着くくらいにしてみたら、結果としてちょうどよかった。でも会場に向かってる途中点呼してるのが見えると焦るからもう少し早めでもよかったかもしれない。

 

開演まで

2日目も3日目もフロア前方で観ることができました。2日目はヒラサワがちょうど正面に来る位置をとれた(ただしレーザーハープも正面に来るのでいわゆるヒラサワの鼻にレーザーハープが刺さるというやつ)。

 ケイオスユニオン平野さんのツイート、そりゃ草も生える

 

3日目は予想外に押されて左スピーカー前に流されてしまったので左耳だけ保護のためにイヤホンをしてました。以前のDIP×戸川純の時にモッシュに巻き込まれてスピーカー前に流されちゃったらそれから一週間左耳だけ難聴になったのがちょっとトラウマで…。耳栓をちゃんと買っておくべきだった。次からはそうする。

客層はまさに善男善女全LBGTXといったところ。解凍PのTシャツとかヒラサワのサインが入ったグレーのTシャツ(いつかのグッズなのか何かの特典だったのかちょっと分からない)の古参の方も、お若いロリータも見かけた。まさにスタンディングライブ!って感じのTシャツにジーンズとボディバッグの人もいた。私は寒がりなのでTシャツとスキニーとライダースで通ってました。会場入れたら後は熱くなる(暑くなる)一方なのでライダースは腰巻き。

 

ライブそのものの感想

大阪公演初日を宅オ(在宅オーディエンス。平沢進のLIVEは何らかの形で無料ネット中継されることが多い、というか近年は毎回してるかな)した時は出囃子&オープニングナンバーが私の大好きな「サイボーグ」だったのでもう自分でも思い返すと引くようなレベルで嗚咽しながら(ちょうどその他私生活が行き詰っていたのもある)聞いたいい思い出があったので、そのワクワクを持ち込んでの参戦でした。

余談ですが、宅オだと声出してボロ泣きしてても誰にも迷惑をかけないし、かといってぼっちというわけじゃなくてTwitterなどでリアルタイムで感想をやりとりできるので本当にいいシステムだと思う。平沢進本当にありがとう。

セットリストは曲順が違うだけで「第9曼荼羅」通して同じ曲目でした。2日目は大阪2日目と同じセットリストだったようなのでここからは3日目の曲順で感想を書いていきます。

 

1.Archetype Engine

出囃子のイントロが前日と同じくオーロラ3のものだったので、「ああオープニングナンバーとしてのサイボーグは聞けないのか…」と少しだけしょげたところに前日とは異なるオレンジの照明にステージが照らし出されたときの感動と言ったら!Archetype Engineは元々大好きな曲で今回のセトリに入ったことそのものも本当に嬉しかったので、オープニングナンバーの形で聞けたのは本当に良かったです。

最初の「意思に母の心ねは」が1曲目Aメロにしていきなり「はぁ⤴っはーの」と裏返ったので笑ってしまった。東京2日目、3日目は「喉からCD音源以上」とチープな表現しかできないけれど、まさにその通りの絶好調の歌声を聞かせてもらっていたのでヒラサワもテンション上がってるのかなーと思ったりしました。そういう人間らしさが生で見られるのもライブの良さだと思います。

あと後のオーロラ3にも言えるのですが、この日のデストロイギターはギターにつけた新型カメラを有効活用したいからなのか大きくゆったりと回ることが多く、何ともそれが、語弊を招くことを恐れずに表現するならば…独特の色気のようなものを醸し出していたように感じます。63の御大に向けて何言ってるんだって感じだけれども。ロマンスグレーの持つ色気のような、そういったものと同じ種類のそれ。

 

2.サイボーグ

大好き。イントロでもう心奪われて「あきらめに行こう」と高々に歌い上げられたら聞き入るしかないし「Love you ほら吹き」で泣きそうになる。雉も泣かずば撃たれぬものを、みたいな言い回しが好きなので「夢も見れたはずに」「空も飛べたはずに」で心に染み入るものがある。とにかくサイボーグという楽曲は最高なんです。これはまた後々アルバムごとに記事が書きたいなと思ってます。

サイボーグでは照明がステージから客席に向かってガノトトスが水面から撃ってくる超強力ビームみたいな動きをしていたんですが(良い表現が思いつかない)、2日目にステージから来るあの白い照明に顔を照らされたとき、「あ、許された」と感じたのは個人的に印象深い思い出です。ヒラサワの歌声と曲が成す業か。

 

3.灰よ

サイボーグが終わった後の静寂を聞いたときに、「あ、灰が来る気がする」と思ったら「灰舞えー!」と来たのでゾクゾクした。2日目の灰舞えは前の曲終わりの歓声と被ってしまってはっきり聞こえなかったので尚更ゾクゾクした。

灰よはとにかく赤い照明を覚えています。中間の灰舞えのシャウト(とは言わないかもしれない)がどんどん上がっていくのと同時に我々のボルテージも上がるというか。また上領さんの生ドラムで迫力が本当に増していたので、現実に帰ってきた今はCD音源では満足できない曼荼羅ロスを実感している。

 

4.回路OFF回路ON

会人SSHO<松>がイントロの高いペンペンしたギターの音を弾いていました。収録アルバム『ホログラムを登る男』の中でもなかなかお気に入りの曲であったにも関わらず、そのペンペンした音が曲の中に存在していることには会人が弾いているその姿を見てやっと気がつきました。聞こえていたはずの音なのに全く意識していなかった。ヒラサワの声のサンプリングばかりに気を取られていた。

サビの「急げよ類無き回路は今も開く」のフレーズ、特に「今も開く」の高音が綺麗に出ていて聞き惚れました。ひらりひらりと歌うこのメロディーほんとに好きです。その後に直前の歌声とは対照的なぎゅいぎゅいしたギターソロにまた興奮させられるのです。

 

5.確率の丘

私は気がつかなかったのですが、2日目に2番の歌いだしをヒラサワが間違えたらしいんですよね。弱起で始まるメロディーなのですが、2番はスカすかのようにイントロのフレーズの後に1小節ハープが鳴る小休止が挟まるのに関わらずそこで歌いだしてしまったようで。そして、3日目もヒラサワ歌いだしを同じように間違えた。さすがの私も気がついてちょっとクスッとしてしまって、しまった笑ってしまった殺される(※殺されない)……と周りのお客さん見まわしたら同じように笑ってたのでだよねーと思いました。だよねー。

平沢進/P-MODELのアルバムは買い集めるほどお金に余裕がないこともあり、最新アルバムのホロ男とAshCrow以外は神保町にある老舗レンタル店ジャニスでちょこちょこ音源を集めていたのですが、『白虎野』だけがまだ借りたことがなく音源を持っておらず、東京公演直前に慌てて借りに行きました。聞きこんでなかったこともありあまり感想が言えるほどではないのですが、聞いていて気持ちが良かったことはよく覚えています。

 

6.アヴァター・アローン

この曲はWC2015の時イントロのレーザーハープさばきがとにかく格好良かったので、生でまた聞けること観られることをとても楽しみにしていました。東京2日目3日目は何度でも言いますがとにかくヒラサワの喉の調子が絶好調だったのでこの曲も低音からファルセットまで全てが美しかったです。

「アヴァター・アローン 機はまだ遠い ただ生き延びよ」のCメロ?が生ドラムということもあって、その直前ピアノとヴァイオリンの音だけになって大人しくなったところからの転換が鳥肌が立つかっこよさでした。

またこれは追加された生ドラム故の問題か私の立っていたところが音響的に良くなかったのか原因はちょっと分かりませんが…この曲はイントロから鳴り続けている細かく刻んだストリングスと、Aメロに入ってからそれを引き継いだかのような低音の刻む電子音が鳴っているのですが、その連続したストリングスor電子音がフレーズの終わりに途切れてしまうように公演では聞こえて、個人的に曲の大事な魅力を削いでしまったように感じて少し残念でした。その連続した音たちの成す緊迫感が好きなので…。アレンジの一環だったとしたらまぁ仕方ないのかな。

あとここで入った打数モジュール増設!かっこいいんだこれが…さっきからこれしか言ってないけどかっこいいんだよこれが…。ソロパートではありますが派手にではなく抑えめに入ってきた上領さんのドラムが小節を経るごとにどんどんボルテージが上がっていくのが本当に本当にかっこよくて…。そしてもちろん打数もどんどん増えていくのも表示で見えるのでテンションもどんどん上がる上がる。麻薬みたいなトリップ、高まりを感じた。いやヤクやったことないけど。

 

7.人体夜行

ライブアレンジが素敵すぎてCD音源じゃ物足りなくなってしまうシリーズ。メモリアルパッケージカードにはライブアレンジ入れてくれるよね???イントロで電子音のフレーズの後ろからチェロ?コントラバス?とにかく低音の弦楽器がユニゾンで入ってきてるのを会人SSHOの動きを見て気がつきました。回路OFF 回路ONもそうでしたが、普段何気なく聞いていて特にその音を意識したこともなかったので(カーオーディオや電車移動中のウォークマンで聞いてることが多いのでよく聞こえてきてなかったのかも)気づけていなかった自分に驚く半面、第9曼荼羅でこのユニゾンが好きになりました。

元々人体夜行は「笑えよ HaHaHaHa」のラジオボイスがとても好きで、生で聞けたのは本当に嬉しかったです。「HaHaHaHa」もその場で歌ってましたね。てっきりレーザーハープで鳴らす音かと思ってたのでそれもまた喜びを増やすというか。単純な生き物ですね。深い青の照明がシンプルな演出ではありますがまた味わい深さがありました。

 

8.生まれなかった都市

東京公演直前にアルバム『白虎野』を借りに行った、と上にも書きましたが、すなわち大阪公演初日の宅オではこの曲は初聴き(?)だったのです。その時は「ヒラサワらしさを持った暗い歌だなぁ暗いと聞きながら落ち込んじゃうからあんまり好きじゃないなぁ…」とぼんやり思ってましたが、2日目にライブから帰ってくる途中電車の中で興奮冷めやらぬままリピート再生し続け、聞き込めば聞き込むほど好きになった曲です。何が暗い歌なものか。てかこの曲6分以上あるんだ!長さを感じさせない。聞きほれているうちに終わってしまう。

Aメロ→Bメロ→サビとひとつひとつ雰囲気が違うメロディーなのに、根底にはずっと砂漠と蜃気楼のイメージを見せてくれる曲。目を閉じれば白く明るいライトの中、レーザーハープを本当に弦を弾くかの如く優雅に光線を指先で撫でるヒラサワの姿が見える。個人的には第9曼荼羅公演を象徴する曲かもしれません。

書きながらふと思ったのですが、砂漠と言えば、ソロアルバム1作目『時空の水』収録のデューンという曲が好きです。平沢進の見せる砂漠は私にとってすごく魅力的なものなのかもしれない。

 

幕間.『許可要請』別名平沢コントあるいは茶番

第9曼荼羅大阪公演メモリアルパッケージカードに収録されている『許可要請』(ファイル名自体はkyokayousei)がステージ上のカウンターに突然映し出され驚きました。当日宅オもしてないのでネットの情報を見る限りなのですが、東京初日は流されなかったようですね。私は一度見たことがある映像なのに、2日目に「打数が足りません」で笑いが起こったのにつられて笑ってしまった。初見だ、という人をTwitterでよく見かけたので意外とみんんさカード買ってないんだなぁ。

内容はSSHOからの指示が正しく聞き取れないTAZZ(そして間違った操作をしちゃう)、ヒラサワが言っていることが理解できないが別にそれを問題と思っていないヒラサワの上司的存在と思われるが正体不明の天の声(cv.平沢進)とそれらのトラブル(?)にも屈せず淡々と報告を続ける普通の平沢進の4人で進む小噺のようなコントのような。この天の声(cv.平沢進)の御声が非常に良い。良い。ナレーション平沢進の映像とか出す予定ないですか?

 

10.Siam Lights

許可要請から流れるように打数モジュール増設からの、この曲。初出は『SIREN』収録なのですが、公演ではどうやらすいっちょんverだったとか?まだすいっちょんの音源持ってないのでちょっと分かりません…。
あまりこの曲は聞き込んでいなかったので、演奏されたことについてさりとて何を感じるわけでもなかったのですが、東京3日目はじんわりと聞きほれていたことを思い出します。でもイントロが流れ出した時点では聞き込んでいないが故に「あれっこの曲なんだっけ」となっていたのは秘密です。

アコースティックギターを下手で腰掛けて演奏していたあのヴィジュアルだけは思い出せるのだけど、一体どんな気分で聞いていたのかが思い出せない…曲調と一緒に優しく包まれて記憶がどこかへ消えてしまった。

 

11.トビラ島(パラネシアン・サークル)

「すごい長い曲」って言うのが第一印象で(きっと誰だってそう)、また前半静かな曲調のため移動中の電車で聞くことが多い私には電車の音でかき消されてしまうのでランダム再生されるたびに飛ばしていた曲でした。
ライブだとその物静かな呟くような、まるで声を落とす(ボリュームを下げるという意味ではなく、いわばdrop)かのような歌い方と、その直後の伸びやかな歌声の対比が本当に美しかったです。そしてパラネシアンサークルの連呼が始まるとその勢いに巻き込まれていくのが心地よかった。静かに何か体内のボルテージを上げられていくような、なのに一度歌声は消えて放り出されて、また静かに静かにやってきたメロディーが「上る」「下る」「上る」「下る」。欲しいものが欲しいところにピタリとはまるような快感を得ました。本当に。

 

12.白虎野

トビラ島で狭い狭い内なる世界に入り込んでしまった(決して窮屈というわけではなくて)会場を開放するかのような照明と明るいメロディーが気持ちよかった。イントロのアレンジ入ったバージョンを東京のメモリアルパッケージカードに入れてくれなかったらヒラサワは本当にひどいと思います(雑)もうあれじゃなきゃ満足できない。

白虎野にはアオザイの娘が出てきますが、ヒラサワが歌う「娘」という言葉が好きです。俯瞰的で。夢みる機械でも娘やら助手やら少年やら出てきますが、なんか、すごく好きです。客観的で。突き放すようで、優しいまなざしをむけてくれているようで。

 

13.Wi-SiWi

白虎野の爽やかさから一転してこれですよこれ。ここで突き落としてくるのがヒラサワなんですわー!イントロの重い重いベンベン響くぎゅんぎゅん揺れるギターよ!いっそ心地いいわ!起きろ外道!

シャウトと分類するのかは分からないのですが、サビに入る直前の上がっていくWi-SiWiが本当にかっこよかったですね。ちょっと後ろ向きに反っていくのもまたヒラサワなり。東京公演はほんと絶好調だったので「サッと目覚めよ」のファルセットに一段上がるところが本当に本当に綺麗でした。何度でも聞きたいので是非東京公演3日目を映像化してくださいケイオスさん。

 

14.CODE-COSTARICA

ベーグルを一口の曲、の認識はありましたが『白虎野』の音源持ってなかったので聞き込めてはいませんでした。こんなかっこいい曲…もっと早く教えてくれよ…。戦いに挑む戦士への行軍歌を聞くような気分でこの曲は聞いています。途中でチャイムが入る曲は名曲だって相場は決まってるんだよ。(ex.ポケモンRSグラードンカイオーガ戦闘曲)

ライブ特有の演出としては、イントロでレーザーハープをシャウトのクレシェンドと共にぐーっと端に手を寄せていくのが好きでした。あと、ラーラーラーラのHCDCってメロディーが好き。ファルセットを心行くまで堪能できる。

 

15.聖馬蹄形惑星の大詐欺師

最近だと大詐欺師という略称よりもプリウスの方が通称として通っちゃってるかもしれないこの曲。

nico.ms えっこれ科学カテゴリの動画なの?

イントロのギターがかっこいい。そしてハーイ!ハイ!の大合唱。正直WC2015からの超新参なので以前はどのようにライブで演奏されていたのかを知らずに大阪であそこが合唱になったのを見てちょっと笑ってしまった。東京ではどうなるかな…と参加した2日目は周りが大合唱だったので釣られて参加、3日目もやはり一瞬躊躇したけど結局参加、かなり楽しんでノリノリで参加。というかもうあのレベルまで大合唱だと結局ヒラサワの加工かけたボイスも聞こえんので踊らにゃソンソンになってしまうというか…。

「王の名はLONIA」でオーディエンスの手がヒラサワを力強く指し示すのを新興宗教みたいだなぁと思いながら眺めてました。こらそこ、既に平沢進とそのファンの構図が新興悪徳宗教みたいだとか言わないの。

 

16.アディオス

「罵詈 カッ カッ カッ 順風…」のアレンジで度肝を抜かれました。なんだよあれ。好き。もう通常バージョンには戻れない。あと最後アディオスって言ってるんだろうなってのは分かるんだけど何度聞いてもアディダスに聞こえる。ごめん。

元々この曲の「罵詈喝采」という言い回しと合わせたメロディーがヒラサワらしくて好きだなぁと思っていて、この公演でも聞けたことは本当に喜びでした。サビ前のハープが響くメロディーの時に会人たちが弓を掲げたりするのが好きでした。つられてオーディエンスの手が上がっていくのも。そして打数モジュール増設!ヒラサワはその時給水ポイントだったので客席に背を向けてしまうのですが、さも上領さんなら信頼できるから、と舞台まるごと預けてしまうように見えてそれがかっこよかったです。歴戦の戦友のようだった…。

 

17.パレード

第9曼荼羅で曲の魅力をこれでもかとばかりに再認識させられた曲。歌詞を見返して「あれがリバティー ユートピアのパロディー」で震えあがりました。この歌詞をあのメロディーラインに乗せて躁気味な曲調と共に歌い上げてしまう、裏に隠した皮肉な目。そしてそこには「キミ」がいる、「キミの名の下に」パレードはやってくる…。この曲を聞き返しながら、平沢進は天才だと何回繰り返したことか。

しかしこの曲は会人たちの動きがコミカルでたまらなかった!中の人的には相当な運動量だったろうとお見受けします。交互にぴょこぴょことボタン類を押す動作をし続けておきながらサビ前になると一度ピタリと止まってしまう。無機物のようでゾクッとしました。こちらの縦ノリも一度ピタリと止まってしまうんだから素晴らしい。イントロのヒラサワのレーザーハープさばきもお見事。映像化されたら繰り返し見るから早くケイオスさんは東京公演3日目をry

 

18.ホログラムを登る男

イントロからのAの音の電子音を張り詰めた空気のまま連打して、小節の頭とは合わないが故に不安にさせるピアノのアルペジオが繰り返し鳴り続ける。その緊張感をある程度持たせ続けたままAメロへ突入する。移動中に聞いててもヒラサワが歌いだすまで少し緊張してしまうのに、ライブではなおさら。そのどこまでもピンと張り詰めたところから、急に支えられていた手を離されたかのように高らかなヒラサワの声が響くのが気持ちよかったです。さっきから緊張からの解放をすべて「気持ちよかった」って表現してるからマゾなのがばれてしまう。

中間の間奏のオーケストラを鳴らすヒラサワのレーザーハープさばきが本当にたまりません。かっこいい、それしか言えない。早く映像化ry

 

19.オーロラ3

ごめんなさいこれも音源持ってなくて3は何が異なるのかをはっきり口に出して説明することが出来ず…。今度買う。

オーロラと言えば間奏のデストロイギターでぐるぐる回りすぎて「目を見張れ」もデストロイして行方不明になったのは笑った。あと前にも書いてるけどここ私のサビで重要だからもう一度書かせてほしい、そのぐるぐる回るのも含めて妙な色気があった。なんていうのかな、ひらひらした綺麗なドレスを着た綺麗なお姉さんがくるくると優雅に回った時に広がるサテン生地の裾のような…実際には優雅どころか歌詞がデストロイしてるんだけども。

しかしオーロラに突入したとき「あれっということはもうセトリも終盤近いはずなのにえっまだ85000台…えっ…」と動揺したのは私だけではなくオーディエンス全員がそうだったに違いない。全ての歌詞を歌い終わっても足らない打数にヒヤッとさせられた。懸命に懸命に手拍子と「ワタル」コールを送る客席、歯を食いしばるかのような上領さんの形相、下手側にいるからこそ見えた会人たちの動き(なんか妙にコミカルだった、会人らしいといえばらしい)、そして客席に対し視線を背けつつも手の平でくいっくいっと煽るヒラサワ………煽るヒラサワ。

まさかあの平沢進が客を煽ると思うまい???私には見えなかったのですがここで一緒にヒラサワもワタルコールしてたんだって?何人かついったでその動く口元を目撃したと呟いていたからそうなんだろうな……ヒラサワ………(感無量)

そして迎える9万打、最後の5つは噛みしめるように上領さんが鳴らしてくれたのが、ぐっときた。

 

ex.第9曼荼羅

9MB(9メガバンブー)からなる楽曲。ステージ上から演者がみな捌けて、くるくる回るミラーボールの光に照らされ、誰もいないステージをオーディエンス全員で凝視しながら聞くお祝いの曲。……にしては、祝う気なんて微塵もない重い曲。かっこいい。「曼荼羅」というものを意識しているのか、どことなくアジアの匂いを感じる曲。かっこいい。かっこいいけどその場で聞いてるときはお経のようなフレーズで聞こえてくるヒラサワの声を耳で拾いながらマジでこれ新興宗教の集まりだなって思ってた。

 

MC

正直衝撃で記憶が飛んでしまっているし東京2日目と3日目が混同してしまっているので、ググって誰かの書き残した情報を見てほしい。私の中では「第9曼荼羅のエンジン」という上領さんの紹介と、「さすが元P-MODEL」というその一言が強烈に刺さっている。Twitterではしょっちゅう口にしてるけど、P-MODELのことを実際に口で言葉に出すことはあまりなかったように思えるから、本当に。

 

en1.現象の花の秘密

全てをやりきった後に聞くこの曲は、本当はアルバム表題曲であり1曲目に位置しているから開幕の曲であるはずなのに、美しい大円団のエンディングのように聞こえた。個人的にも大好きな曲で、ヒラサワは絶好調で(大阪初日ではこの曲のサビが辛そうでちょっと心配になったので)、すべてを委ねて安心して聞ける心地よさを嚙みしめられた。

 

en2.鉄切り歌(鉄山を登る男)

「鉄はだんだん切らせておけば満足するとヒラサワに分からせてしまった我々馬骨サイドにも問題がある」という内容のツイートを大阪初日だかに見かけて笑ってしまったんだけど、確かにその通りで。この曲のイントロが流れると安心するし三拍子に合わせてステップを踏みたくなる。踏めないけど。青空をバックに我々をぷくくと笑いながら翼で飛んでいくヒラサワの姿(WC2015)が見える。はて、あれはアヴァターだったか。

「空を見ろと聞こえた」で、二重ボーカルの加工が解除されて素のヒラサワの歌声が響くのが好き。「だんだん切れ」でオーディエンスもヒラサワも鉄を切るように腕を振り上げて落とすのが好き。平沢進の毒を含んだようなファンを突き飛ばすようなそんなアーティスト・イメージ(笑)を保っていた時のことを思えば、なんとまぁ寛容(に見えるパフォーマンス)なんだろうか…。合唱を前提として作られたような曲ではあるものの、WC2015の時もすべきか否か?と議論を巻き起こしていたのが懐かしい。今では移動中に聞いていても、口ずさみたくなってしまう。

 

 

終わりに

今回のセットリストは「ヒラサワ入門曲シリーズ」と銘打ってもいいんじゃないか?っていう感じでした。ツイッターフォロアー9万人突破記念ということで、新しいお客さんが増えたことを意識してたのかな。人気曲は一通り押さえているし最新アルバムや最新曲も多くてヒラサワを初めての人にも比較的勧めやすいラインナップとなっています。まぁ、いや、比較的、だけどね、あくまで比較的…。万人に合う音楽とは到底言えまいし、だからこそのステルスメジャー。

そしてこういうものはなるべく早く書くものだと思った。記憶ってほんとにどんどん薄れていくんだね!あの感動をまた味わいたいから早く映像化してほしいし、上領さんも生ドラムで参加されてることで本当に迫力あるライブだったのでCD音源化もしてほしい。生ドラムってしゅごい…。

あとひとつだけ言わせてほしい。今回ヒラサワの衣装は上がナポレオンジャケットにライブ記念グッズのMANDALA-MINOだったんだけど、あのミノでデストロイ中とかに足でテンポを刻むと膝小僧のフォルムがくっきり浮き出ちゃうのがなんか新鮮だった。こういうのちょっといいなぁと思った。

 

次の新譜とライブを楽しみにしています。